ビジネス

傾聴のコツ6選|産業カウンセラー資格を取って分かった「話を聴く」ということ

ノボル

会社員として働いていた頃、身近な友人がメンタルの不調を経験しました。

そして、私自身も同じように心身がつらくなる経験をしました。

当時(2000年代)は、今ほど、職場のメンタルヘルスについて理解が広がっていなかったように思います。

私が若い頃は、とにかく働く。

多少つらくても頑張る。

そんな空気が、今より強い時代でした。

そんな中で、

「少しでも、つらい思いをしている人の役に立てないだろうか」

と思うようになり、関連する資格を調べ、産業カウンセラーの資格を取得しました。

現在ではストレスチェック制度など、職場のメンタルヘルス対策も以前より身近なものになっています。

しかし、制度が整っても、人と人との会話の大切さは変わりません。

そして傾聴を学んで、私はそれまでの「人の話の聴き方」が大きく変わりました。

傾聴を学ぶ前は、アドバイスすることが多かった

資格を取る前の私は、人の話を聴くことが特別得意だったわけではありません。

相手の話を聴きながら、

「だったら、こうした方がいいんじゃない?」

と具体的なアドバイスをすることの方が多かったように思います。

もちろん、アドバイスが必要な時もあります。

しかし傾聴を学んで気づいたのは、

相手は必ずしも、答えを求めて話しているわけではない

ということでした。

ただ話したい。

気持ちを分かってほしい。

自分の頭の中を整理したい。

そんな時もあります。

そこで大切になるのが「傾聴」です。

私が意識している傾聴の6つのコツ

私が傾聴するときに意識しているのは、次の6つです。

1.うなずき・あいづち

まず基本になるのが、うなずきとあいづちです。

ただし、

「はいはい」

と機械的に返すのではありません。

相手を見ながら、

「うん」

「そうなんですね」

と、話を受け止めながら聴きます。

言葉だけではなく、表情や視線、声の抑揚、身振り手振りにも注意を向けます。

2.繰り返し

相手の話の中から、大切そうなキーワードを見つけて繰り返します。

例えば、

「最近仕事が忙しくて、毎日夜10時まで残業しているんです」

と言われたら、

「10時までですか」

と返す。

それだけでも、

「ちゃんと話を聴いてくれている」

と相手に伝わります。

すべてをオウム返しにするのではなく、相手が本当に伝えたいと思っている言葉を拾うことが大切です。

3.感情への応答

私が6つの中で、最も大切だと思っているのがこれです。

実際に傾聴をしていて、最も効果を感じたのも「感情への応答」でした。

例えば、

「最近仕事が忙しくて、毎日10時まで残業していて、家でワンちゃんを待たせているんです」

という話なら、

「それはワンちゃんが心配ですね」

と返してみる。

ポイントは、単に「夜10時まで働いている」という事実だけではなく、その言葉の奥にある相手の感情を見つけることです。

悔しい。

悲しい。

不安。

心配。

うれしい。

寂しい。

相手の言葉や表情、声の調子などから感じ取った気持ちを、そっと言葉にして返します。

もちろん、決めつける必要はありません。

大切なのは、

「あなたの気持ちを理解しようとしています」

という姿勢だと思います。

4.要約

話が長くなったときには、一度整理して返します。

「つまり、仕事そのものが嫌というより、今の働き方がつらいということですか」

といったように、話をまとめて確認します。

要約することで、相手自身も、

「そうか、自分はそこがつらかったのか」

と、自分の気持ちや状況を整理できることがあります。

5.質問

質問も大切ですが、質問攻めにしてはいけません。

答えが限られる質問だけでなく、

「その時、どう感じましたか?」

「これから、どうしたいと思っていますか?」

など、相手が自由に話せる質問も使います。

質問は情報を集めるためというより、

相手が自分自身について考えるきっかけを作るもの

という感覚が近いと思います。

6.沈黙

傾聴を学ぶ前の私は、沈黙が苦手でした。

会話が止まると、

「何か話さないと」

と思い、こちらから次の話題を出していました。

しかし、傾聴を学んでからは変わりました。

沈黙も、一つのメッセージだからです。

相手が黙っている時は、何も考えていないとは限りません。

言葉を探している。

気持ちを整理している。

話すかどうか迷っている。

そんな時間なのかもしれません。

そこで、こちらがすぐに沈黙を埋めない。

傾聴を意識している時には、私はかなり長い時間でも待てるようになりました。

すると、その沈黙の後に、

それまで話していなかった仕事の悩みなどを打ち明けてくれることがありました。

私の経験では、沈黙を待ったことが、結果的に良い方向へつながることは少なくありませんでした。

本気で人の話を聴くのは、かなり疲れる

傾聴というと、

「ただ話を聴くだけ」

と思われるかもしれません。

でも私は、まったく逆だと思っています。

本気で傾聴すると、とても疲れます。

「今から傾聴する」

と意識を切り替え、

相手の言葉。

表情。

視線。

身振り。

声の抑揚。

そして、その奥にある感情。

そこに全神経を傾けます。

それらが自然にできる人もいると思います。

しかし少なくとも私の場合は、意識して傾聴するにはかなりの集中力が必要でした。

それだけ、人の話を本当に聴くということは、エネルギーを使う行為なのだと思います。

傾聴するとき、私がやらないようにしていること

逆に、傾聴するときに避けたいこともあります。

特に意識しているのは、

  • 相手の話を遮る、言葉をかぶせる
  • 「はいはい」と適当に返事をする
  • 偉そうな態度で聴く
  • すぐに自分の知識でアドバイスする
  • 自分の経験談に話をすり替える
  • 相手を否定する

といったことです。

ここで大事なのは、

相手の意見をすべて肯定する必要はない

ということです。

同意できなくてもいい。

答えを出さなくてもいい。

まずは、聴く。

それだけでも意味があります。

人は話しながら、自分で整理していく

これは、私が傾聴を実践して強く感じたことです。

こちらが答えを教えなくても、相手は話を続けるうちに、

「自分は本当は何に困っているのか」

「なぜこんなに腹が立っていたのか」

「自分はどうしたいのか」

と、自分自身の感情や状況を少しずつ客観的に見られるようになることがあります。

そして不思議なことに、

こちらが解決策を教えなくても、相手自身が解決の方向を見つけることがあります。

だから私は、

「話を聴く=問題の解決をアドバイスすること」

ではないと思っています。

相手が自分で整理するための時間に、付き合う。

それも傾聴の大切な役割なのだと思います。

若い頃の自分に伝えるなら

もし今の私が、若い頃の自分に「人の話の聴き方」を教えるなら、

まず、これら傾聴6つのコツを意識してみろ。

と伝えます。

その中でも特に、

相手の感情を見つけて、その感情に応答してあげること。

そして、

沈黙を怖がらないこと。

この二つを特に伝えたいです。

若い頃の私は、

「何か役に立つことを言わなければ」

と思っていたように思います。

でも今なら、

何か言うことより、

何も言わずに、相手の話をきちんと聴くことの方が大切な時もある

と分かります。

まとめ|傾聴とは、相手に対する最大の思いやり

産業カウンセラーの資格を取得して、傾聴について学びました。

そして実際の仕事や人間関係の中で傾聴を使ってきました。

その経験を通して、今の私が思うことがあります。

傾聴とは、単なる会話のテクニックではありません。

相手の言葉だけではなく、

表情を見て、

声を聴いて、

沈黙を待って、

その人の感情を理解しようとする。

答えを急がず、

自分の話にすり替えず、

相手が話し終わるまで付き合う。

私は、

「傾聴とは、相手に対する最大の思いやり」

なのだと思っています。

NOBORU

ABOUT ME
ノボル
ノボル
毎日一粒タネを撒く人
約25年間会社員として働いた後、現在は農業やブログ、YouTubeなど、新しいことに挑戦しています。 このブログでは、農業、健康、ガジェット、ビジネス、暮らしの工夫、趣味(読書・映画)など、実際に経験したことを中心に発信しています。 うまくいったことも失敗したことも含めて、誰かの参考になる情報を残していければと思っています。 「毎日一粒タネをまく」を合言葉に、コツコツ積み上げていきます。
記事URLをコピーしました