久しぶりに小説を読んだら、涙が出た。『狭小邸宅』を読んで思ったこと

ノボル

10代、20代の頃は、小説をかなり読んでいました。

小さい頃から本を読むのが好きで、小説を開くと、いつの間にかその世界に入り込んでいる。

そんな感覚が好きでした。

ところが40代くらいからでしょうか。

読む本といえば、ビジネス書やノウハウ本、健康関連の本が中心になりました。

小説は、たまに読むくらい。

そんな生活が長く続いて、最近ふと思ったんです。

「自分、まだ小説を読めるのかな?」

もちろん、文字が読めるかという意味ではありません(笑)

昔のように物語の世界に入っていって、登場人物の気持ちを想像したり、物語に没入したり。

そんな読み方が、今の自分にもまだできるのかな?

漠然と、そんなことを考えていました。

たまたまXで見つけた『狭小邸宅』

そんなとき、Xのポストでたまたま見かけたのが、新庄耕さんの小説『狭小邸宅』でした。

不動産営業の世界を描いた小説です。

私自身、若い頃に営業をしていたことがあります。

「営業の話なら読みやすいかな」

それくらいの軽い気持ちでした。

そして、もう一つ。

200ページ弱と短い。

久しぶりに小説を読む自分には、これくらいがちょうどいい(笑)

正直、それほど大きな期待をして買ったわけではありませんでした。

久しぶりの小説でも、すっと入っていけた

読み始めてみると、テンポがよく、どんどん読み進められました。

そして特に印象に残ったのが、サラリーマンの描写のうまさです。

会社員として働くこと。

営業成績を求められること。

売れないときの営業マンの心理。

私自身にも営業経験があるので、「分かるなあ」と感じるところがありました。

ただ、詳しい内容については、ここではあまり書きません。

これから読む人には、できれば先入観なく読んでもらいたいからです。

そして物語を読み進めるうちに、主人公の営業マンとしての成長に、いつの間にか感情移入していました。

気づけば――

涙が出ていました。

想定外の「心の洗濯」

私は、本や映画を見て涙を流すことを、勝手に

「心の洗濯」

と呼んでいます。

たまには思いっきり感動して、泣く。

そのために用意しているDVDや本まであります。

定期的に、自分なりの「心の洗濯」をするわけです。

でも今回は、それをするつもりなんて全くありませんでした。

久しぶりに小説を読んでみよう。

短いから、これなら読めそう。

本当に、それくらいでした。

ところが思いがけないところで、心の洗濯ができてしまいました。

読み終わったとき、

「読んでよかったな」

と思いました。

100人いれば、100通りの感じ方がある

ただし、

「『狭小邸宅』を読めば、誰でも感動して泣きます」

と言うつもりはありません。

人は100人いれば、100人とも生きてきたバックグラウンドが違います。

同じ本でも、その人の年齢や仕事、経験、そのとき置かれている状況によって、感じ方は違うと思います。

今回はたまたま、主人公と自分の中にリンクする部分があった。

営業をした経験も、その一つだったのかもしれません。

だから私には、この物語が刺さったのだと思います。

「まだ小説を読めるじゃん、自分」

そしてもう一つ。

本の内容とは別に、嬉しかったことがありました。

「まだ小説を読めるじゃん、自分」

ちゃんと物語の中に入っていけました。

登場人物に感情移入できました。

そして、涙まで出ました。

久しぶりに小説を開いて、それが分かっただけでも嬉しかったです。

しかも『狭小邸宅』を読み終えたあと、私はさっそく新庄耕さんの別の本まで買ってしまいました(笑)

どうやら、小説を読む楽しさはちゃんと残っていたようです。

こんな人なら読んでみてもいいかも

私が特に合いそうだと思うのは、

  • 久しぶりに小説を読みたいけれど、まずは短めの作品がいい人
  • 過去に営業を経験して、成績に悩んだことがある人
  • 営業経験はないけれど、その世界を少しのぞいてみたい人

です。

200ページ弱でテンポもよく、あっという間に読み終わりました。

「久しぶりに小説でも読んでみようかな」

という一冊としても、手に取りやすいと思います。

この本は絶対に泣けます、とは言いません。

でも私は、読んでよかった。

そして久しぶりに思いました。

小説って、やっぱりいいな。

毎日の生活に、少しだけワクワクを。


今回読んだ本

【新庄耕『狭小邸宅』 (集英社文庫)】をAmazonで見る

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毎日一粒タネを撒く人
約25年間会社員として働いた後、現在は農業やブログ、YouTubeなど、新しいことに挑戦しています。 このブログでは、農業、健康、ガジェット、ビジネス、暮らしの工夫、趣味(読書・映画)など、実際に経験したことを中心に発信しています。 うまくいったことも失敗したことも含めて、誰かの参考になる情報を残していければと思っています。 「毎日一粒タネをまく」を合言葉に、コツコツ積み上げていきます。
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